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   U 理性が教えた真理について  
     
   3. モノは壊れて、人は死ぬ(2)  
    私が「仏教」について学んだ時に使っていたのは、中村 元という人の手による仏典の訳本であった。数多ある仏典の解説書など読む気にもなれなかったし、解釈書もほとんど無視した。中村先生は学者さんであるから、ゴーダマの言葉をなるべく正確に伝えようとしてくださる。私が知りたかったのも、王子である身分を捨て、綺麗な妃と子供まで捨てて、何でまた「苦」などというありふれた現象の探求に向かわれたのかという「人間ゴーダマ」青年のありのままの姿であった。だから、探求の対象としたのは、いろいろと粉飾がなされる前の仏典、成立年代の古い仏典であった。中村先生のご本の中に「ブッダのことば」(スッタニパーダ)というものがある。私は、この本を何度も読み返して、人間ゴーダマが一体どんな人物であったのかを把握し、ほんとうのゴーダマが何を語っていたかについて理解しようと試みていた。結論から言うと、ゴーダマの教えなど、今の仏教とはほとんど無関係ではないか、ということだ。釈尊、ブッダの名を借りて「仏教」という一つのまとまりがあるように見せかけてはいるものの、多分、もうほとんど、今の仏教はゴーダマの教えではない。「知識」の移譲はできないことをゴーダマは知っていたと思う。ソクラテス先生が、ただ批判をするだけで、論争をする相手の内側から湧き出る知識や気づきを根気よく待っていたのと同じように。多分、大乗の教えを説いた智慧浅き僧侶たちが、ゴーダマの教えを「宗教」にしてしまったのだと私は考える。探求者、求道者が、確認のためにだけ使用すべきゴーダマの教えを、知識として広めようなどと考えたところに誤りがあるのである。何度も言うが「知識」の移譲はできないのである。それを求めない心には、知識は無用の長物である。

 さて、本題に入ろう。いきなり、結論から言うと、この宇宙は「法治フィールド」である。この宇宙では、ルールを全ての存在に厳格に守らせることで、壊れるもの、死すべきものを、なるべく壊れないように、なるべく死なないようにする工夫が施してある。まぁ、これもまた至極当たり前のことである。私たちも誰も傷ついたり死んだりしないように交通ルールを作っているのだから、それと同じことだ。ただそれがこの宇宙では「物理法則」と呼ばれるものであるだけだ。星の世界は「物理法則」だけで作られている世界である。生物法則も、人間のルールも関わっていない。物理法則はルールである。これは当たり前。物理法則は「法則」と呼ばれうるにふさわしく、「絶対性」と「時空普遍性」を有している。これも当たり前。だから、誰も破ることができないルールであり、誰も特権を持てないルールであり、誰もルールのお目こぼしにあずかれないルールであり、それゆえ「完全な平等性」を持つルールである。そんなルールで世界を作ると星の世界になるから、みなさんにはじっくりと星の世界を眺めていただきたい。
            (http://apod.nasa.gov/apod/archivepix.html :NASA

 美しいと思うであろうか?  壮大だと思うであろうか? それとも 懐かしく思うであろうか? とにかく、今見てもらった世界が「物理法則」だけで作られた世界である。
 物理法則の全ては「相対性原理」を満たしている。「相対性原理」とは@観測するものとされるものとの間でルールが異なってはならないA異なる物差しを用いたとしてもルールが異なってはならない、というものだ。そう言う条件を満たしたルールで、しかもすべての存在がたった一つの例外もなくそのようなルールを厳格に遵守すると出来上がる世界、それが星の世界である。星の世界の安定性については言わずもがなである。この世界の安定性なくして、生物の世界が生まれることも、進化することもないからである。

 私もそしてカント先生も、星のルールを我が行為のルールとすることを決心した人間である。私の理性も、そしてカント先生の理性も星のルールの有り様を最上としたから、そう決心したのである。そういう私が、人の世界にあるルールを見てみると、人の世界のルールは「歪み」だらけである。 歪んだルールで構築された世界が歪んでいるのは当たり前のことだ。 この宇宙は「法治フィールド」なのである。全ては「ルール」がどのようなものであるかで、世界は「ルール」通りに出来上がってしまう。「ルール」に従って出来上がったものが私たちの世界を埋めているだけなのである。歪んだルールで構築された世界は歪んでいるのだ。妥当なルールで構築された世界は、妥当であるのだ。そして、私たちのルールが妥当であったなら、私たちの世界は「美しく」もあり「安定」もし、星の世界のようになるのである。「妥当なルール」とは、星の世界を作り上げる「物理法則」のようなルールのことを言うのである。

 みなさんには「真理」を一つお伝えした。この宇宙は「法治フィールド」であると。今までの聖人の誰も、ゴーダマさえも、この宇宙が、この世界が、「法治フィールド」であるとは言わなかった。だから、みなさんは、過去に生まれたどの人間も知らないことを初めて知った。でも、残念ながらみなさんが知ったその知識の有効性はないのである。知識は移譲できないのである。
 
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